アレルギーの治療

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アレルギーの治療

わたしたちの体は、体内に侵入した病原菌やウイルスなどの異物に対して、それに反応する「抗体」を作って排除する仕組みを持っています。この仕組みを「免疫」といいます。
免疫は本来、体から異物を排除して感染症などから体を守る大切な仕組みです。しかし、この免疫が花粉など体に害のないものに対しても過剰に反応してしまうことがあります。これが「アレルギー」です。
多くの患者さんは内服薬や点鼻薬を使用することで、くしゃみや鼻みず、鼻づまりなどの症状を抑えれます。しかしクスリが効かない場合、使用できない場合には免疫療法または手術療法を行います。

アレルゲン免疫療法

アレルゲン免疫療法ナビ

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アレルゲン免疫療法は減感作療法とも呼ばれ、アレルギーの原因である「アレルゲン」を少量から投与することで、体をアレルゲンに慣らし、アレルギー症状を和らげる治療法です。アレルギー症状を治す可能性のある治療法と考えられています。アレルギー症状のある疾患のうち、花粉症、アレルギー性鼻炎、気管支喘息などに対してこの治療法が行われています。
現在、アレルゲン免疫療法には、アレルゲンを注射する皮下免疫療法という方法と、アレルゲンエキスを舌下に投与する舌下免疫療法という新しい方法があります。

皮下免疫療法

皮下免疫療法
皮下免疫療法
皮下免疫療法

まず血液検査で、アレルギーの原因(抗原)を確かめます。その上で、希釈したエキスを少量から皮下に注射していきます。
はじめは週に1~2回、少しずつ量を多く、濃度を高くしていき、適切な濃度になったら間隔をあけ、2週に1回から最終的には月1回にして、その濃度(維持量)を続けていきます。
効果がでるまでに、約3ヶ月以上かかります。効果を維持するためには最低3年、できれば5年以上、月1回の注射を続けます。

◆対象
・6歳以上で病因アレルゲンがハウスダスト、ダニ、スギ花粉である方
◆対象とならない方
・病因アレルゲンがハウスダスト、ダニ、スギ花粉でない方
・アレルゲンエキスの投与によりショック(急激な血圧低下により意識障害などを生じること)を
起こしたことのある方
・重症の気管支喘息患者
・妊娠または授乳中の方
(すでに免疫療法を行っており維持期においては治療を続けることが可能)
・β阻害薬(高血圧や不整脈に対して使用)、三環系抗うつ薬、MAO阻害剤を使用中の患者
・悪性腫瘍または免疫系の全身性疾患(膠原病や免疫不全症など)のある患者

◆有効性について
治療効果はハウスダスト(ダニ)で80~90%、スギ花粉でも70%前後の有効性が認められています。また3年以上治療を続けられた患者さんでは、治療終了後4~5年経過した時点での追跡調査で80~90%の効果の持続が認められています。

◆安全性について
アレルゲン免疫療法は、アレルゲンを投与することからアレルギー反応が起こる可能性があり、場合によっては、アナフィラキシーという重い副作用が現れることもあります。そのため、本治療は副作用に対する適切な対応ができる医師のもとで行われます。
副作用としては、注射部位の腫れが最も多く、その他、全身の発赤、ショック症状、喘鳴などがごく稀に起こることがあります。ただしこれらの副作用は注射後15分以内に起こるため院内での適切な処置を行います。

【アナフィラキシーとは】
医薬品などに対する急性の過敏反応により、医薬品投与後多くの場合30分以内で、じんましんなどの皮膚症状、腹痛や嘔吐などの消化器症状、息苦しさなどの呼吸器症状、突然の蒼白、意識の混濁などのショック症状が現れることをいいます。
当院ではハウスダスト、ダニ、スギなどを行っています。

舌下免疫療法

舌下免疫療法
舌下免疫療法

これまでは皮下注射による治療が主でしたが、「通院が何回も必要」「注射が痛い」など、患者さんにとって大きな負担になっていました。そこで、舌の下からお薬を体内に吸収させることで「自宅で」「痛みがなく」治療を可能にしたのが舌下免疫療法です。
現在は、スギ花粉症、ダニアレルギー性鼻炎などに対して行われます。
1日1回、舌の下に治療薬を1分間保持した後に飲み込みます。その後5分間はうがいや飲食を控えます。服用前後の2時間程度は激しい運動・入浴を避けるようにします。治療開始から1週間は導入量を服用し、2週目からは維持量を服用します。初めての服用は、医療機関で行いますが、2日目からは自宅で行いします。一般的に舌下免疫療法では3~5年間は治療を継続することが推奨されます。最近スギとダニのアレルギーの方は、両方を併用する舌下免疫療法も安全性が高いことがわかってきました。新しい治療ですので、現段階では初めの2ヶ月程はどちらか一方のみで開始し、安全性をみて他方を追加するようにしています。両方の治療は、はじめだけ朝と夜と間隔をあけて行い、以後は5分開けて行っています。

◆対象
・5歳以上のスギ花粉症患者
※用法・用量を守り、毎日服用可能な方
・少なくとも1ヶ月に1度、定期的な通院が可能な方
◆対象とならない方
・病因アレルゲンがスギ花粉でない方
・アレルゲンエキスの投与によりショック(急激な血圧低下により意識障害などを生じること)を起こしたことのある方
・重症の気管支喘息患者
・妊娠または授乳中の方
(すでに免疫療法を行っており維持期においては治療を続けることが可能)
・β阻害薬(高血圧や不整脈に対して使用)、三環系抗うつ薬、MAO阻害剤を使用中の患者
・悪性腫瘍または免疫系の全身性疾患(膠原病や免疫不全症など)のある患者
◆有効性について
治療した人すべてに効果があるわけではありません。一般的に約10~20%の人には効果がないと言われています。
◆安全性について
投与後の多くの場合30分以内で、じんましんなどの皮膚症状や、腹痛・嘔吐などの消化器症状、息苦しさなどの呼吸器症状、意識の混濁などのショック症状などがみられることがあります。
しかし、重篤な副反応はきわめて稀であり、従来の注射による方法よりも安全ですが、治療時にはよく理解する必要があります。

治療の流れ

問診・検査
治療の対象となりうるかどうか、問診で判断いたします。
スギ花粉症、またはダニアレルギーと診断することが必須のため、血液検査で確認します。最近2~3年以内行ったアレルギー検査の結果を持参していただいても構いません。

治療説明
治療スケジュール・服用方法・副作用を説明し、治療の意思を確認します。

初回のクリニック内での投与
処方箋をお渡ししますので院外調剤薬局から治療薬を受け取り、クリニックに戻ってきていただきます。
医師の立ち合いのもと処方薬を舌の下に置き、1分間保持しその後に飲み込みます。投与後30分間は、副反応が生じないかクリニック内でお待ちいただきます。問題がなければ、翌日からは毎日自宅で服用していただきます。

初回投与1週間後の再診
用法・用量が守られているかどうか、副反応の有無などを確認します。
このまま治療を続けても良いかどうかを判断します。問題がなければ、維持量の薬を2週間処方します。

治療継続(投与3週目以降)
前回と同じように、副反応の有無などを確認します。問題がなければ、以後は原則1ヶ月に1回の受診となります。
尚、スギ舌下免疫療法中の方は、スギ花粉飛散期中も治療を継続することが可能ですが、飛散期に治療を開始することはできません。

アレルゲン免疫療法についての詳しい資料はこちら

皮下免疫療法 ※クリックすると資料が開きます

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